太陽光発電システムを導入してから10年が経過し、国の固定価格買取制度(FIT制度)の期間が終了することを「卒FIT(そつフィット)」と呼びます。
FIT期間中は高価格(例:48円/kWhなど)で売電できた電気が、卒FIT後は数円〜十数円/kWhと大幅に安価に買い取られるようになります。
この売電収入の激減は、初期投資の回収計画に影響を与えます。
本記事では、卒FIT後も経済的なメリットを最大化するための「自家消費最大化戦略」と、そのための蓄電池の活用法を解説します。
TOC
1. 卒FIT後の経済構造の変化
卒FIT後の経済的な鉄則は、「電気は売るより自分で使う方が断然お得」ということです。
| 行動 | 収入/節約 | 理由 |
| 売電 | 収入(低単価) | 買取価格:例 7円/kWh |
| 自家消費 | 電気代節約 | 購入価格:例 30円/kWh |
- 自家消費の価値: 自家消費は、電力会社から電気を買わずに済むことで、購入価格相当(例:30円/kWh)の節約効果を生みます。これは売電価格(7円/kWh)の数倍の価値があるため、いかに自家消費を増やすかが重要になります。
2. 自家消費を最大化するための2つの戦略
卒FIT後、自宅で発電した電気を無駄なく使い切るための具体的な方法です。
2-1. 必須戦略:家庭用蓄電池の導入
- 役割: 昼間に発電した余剰電力を一旦蓄電池に貯め込み、発電できない夕方〜夜間の電力として利用します。
- メリット: 日中に留守が多い家庭でも、発電した電気を無駄なく消費できます。卒FIT後の経済効果を最大化するために、蓄電池の導入はもはや必須と言えます。
- 導入タイミング: FIT期間が終了する1~2年前から検討を始めるのが理想的です。
2-2. 機器の稼働時間を「昼間」にシフト
- タイマー活用: 乾燥機、食洗機、電気自動車の充電(V2H対応の場合)など、電力消費の大きい機器の稼働時間を、太陽光が発電している昼間にタイマー設定でシフトさせます。
- 高効率給湯器の活用: エコキュートなどの高効率給湯器を導入し、安価な昼間電力(自家発電)を使ってお湯を沸き上げる設定にすることで、自家消費量を増やせます。
3. 蓄電池を導入する際の資金計画
自家消費を最大化する蓄電池は高額な初期投資となりますが、卒FIT後の節約効果で回収を見込めます。
- 補助金の活用: 蓄電池導入には、国や地方自治体の補助金を最大限に活用し、初期費用を抑えることが重要です(詳細は別記事参照)。
- 長期の資金計画: 蓄電池の費用は、電気代削減効果を考慮した上で、売電収入ではなく節約効果を基に何年で回収できるかをシミュレーションしましょう。
4. まとめ:最適なソリューションは業者選びから
卒FIT後も太陽光発電を経済的な資産として維持するためには、蓄電池の導入と、生活パターンに合わせた自家消費へのシフトが不可欠です。
これらの戦略を成功させるには、最適な蓄電池の容量提案や、補助金申請のサポートができる信頼できる設置業者を選ぶことが鍵となります。
ご自身のライフスタイルに合ったソリューションを提案し、長期的な経済メリットをシミュレーションできる優良な業者を選ぶためにも、複数の業者を比較検討しましょう。
信頼できる全国の設置・交換業者を効率的に探したい場合は、こちらの「蓄電池・太陽光発電の設置業者一覧」をぜひ参考にしてくださいね!

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